「世界一周」講義 アンケート 回答
               
 今回は11月18日に私の話を聞いていただき本当にありがとうございました。みなさんからいただいた質問にできる限り答えようと思います。少し質問の意図と違うことがあったらすみません。また聞きたいことがあれば、Facebookの「ワタル世界は夢ばかり」というページがありますので、そこにメッセージいただければ嬉しいなと思います。
 
Q1.「総費用は?」「お金は全部でいくらかかりましたか?」「世界一周する前にどれだけのお金を貯めて行きましたか?」
A. 実際、お金のことは興味が出ますよね。自分はアルバイト(掛け持ちで週に8回)と元あった貯金で100万円以上貯めました。一つ大きなことは、タバコもお酒も興味がなかったことかもしれません。しかし半分越えた頃に底をつき、それだけでは足りず…「就職してからすぐに返すから!」ということで親に借金をしました(この形で世界一周をしている学生は非常に多かったです、日頃の月の仕送りに上乗せしてもらって送金してもらうような感じです)。親ももちろんぱっとお金を出せるほどのお金持ちではありません。説得して、自分でもできる限りのお金を貯めて、1年間の準備期間の中で本気度と姿勢を示して、ようやく力を貸してもらうことができました。お金の話をすると、「なんだ、お金があるから行けるんじゃん!」と思う人が少なからずいて、そのせいでお金の話だけが一人歩きしてしまうことが多いので、総額についてもまぁ大体そのくらいかなという風に思ってもらってもらおうと思っています。本当に貯金するのは大変でまずい病気になりかけたこともありますし、親に借りるのも説得するだけ長い期間があったこと、その先に資金面の問題を解決できたということを理解していただければ嬉しいです。
余談ですが、世界一周では高校生で個人協賛や企業協賛を募って回った人、現地でギターを弾いて寄付で世界を回っている人、ワーキングホリディ(海外でのアルバイト)で稼いでから出発する人など様々な人がいます。自分の夢を実現するために、どんなに困難なことでも諦めないことを貫いている人ばかりです。
 
Q2.「辛かった思い出は?」
A.飛行機に預けた荷物が届かないこと、通称ロスバゲと言います。ドイツからアフリカのタンザニアに向かう飛行機でした。ドイツでは雪が降るくらいの11月。割と寒くて長袖長ズボンで搭乗しました。そして到着したのは常夏のタンザニア。真夏にヒートテックと長ズボンで街中を散策した人は世界にも僕くらいじゃないかな?と思います。結局1週間経ってようやく届きました。かなり精神的にも辛かったです。この時が1番旅をやめるか悩んだ時でした…。
 
Q3.「寒い地域に行くときは現地で衣服などをとりよせましたか?」
A.上着は日本で買っていったのですがなくしたり、盗まれたりしたので、仕方なく買ったりしました。あとアイスランドに行く時に「流石にまずい」ということになり、パリのユニクロに行きました(やっぱりユニクロ最強説が旅人には根強い)。あとは日本から持っていって、圧縮袋で小さくしながら最小限のものを持ち歩いていました。
 
Q4.「他に行きたい国はありますか?」
A.トルコとモロッコに行きたいです。中東は情勢が心配でスルーしたので、いつか行きたい。ケバブを食べたい。モロッコはルート的に合わず断念したので。タジン鍋を食べたい。結局、「食べたいものがあるところ」に行きたい(笑)
 
Q5.「カメラや携帯電話の充電はどうしていたのですか?」
A.まず申しますと、僕は3ヶ月目にしてエジプトでiPhoneと一緒にダイビングをして、携帯電話がなくなってしまいました。なので、そこからサバイバル力をつけざるを得なくなりました。なので、充電のことはあまり気にしませんでした。カメラも1週間くらい持つのであまり気にしませんでした。
 
Q6.「一番おいしかった食べ物はなんですか?」
A.ピザです。(笑)
 
Q7.「外国の方と接する上で一番壁を感じたことはなんですか?」
A.結局言語力です。ツアーの時も、一緒にいていいのかな?って思っちゃうくらい話の内容がわからないことがある。大事なやり取りはできても「んで俺の母さんがさぁ!んなことあってさぁ!ワハハ」みたいな会話が全然わからない。正直悔しい思いでいっぱいになりました。これは今も続いている自分への宿題にしています。
 
Q8.「「自分とは何か」と考え始めた中で、様々なやり方や方法がある中で、どうして世界を見て行こうと考えたのか、詳しく教えてほしいです」
A.これだと決定的に言えるものは実はありません。小学生の頃に総合学習で学んだ世界の貧困、家族で行った海外旅行、講義の途中に友達が見せてくれた「世界一周バックパッカー」に関する本、何か大きいことをしたいという野望などなど。正直最初は漠然と「自分探しの旅」とよく言われるのを信じて飛び出してみただけです。様々なことが少しずつ関わりあって、僕にこのやり方を選択させました。
 
Q9.「世界に飛び出して行く前の葛藤している時に、最終的に行くと決意したきっかけについて教えて欲しいです」
A.「一度行くといったからには…」という頑固さです!笑 でもそれだけではありません。旅とか留学にも言えることなんですが、環境を大きく変えることは本当に不安で逃げたくなることです。有名な旅の作家の方も同じようなことを行っていました。行く前はブルーになる、と。しかし、だからこそ意味があると2年の時のアジア放浪の時に気づきました。「知らない、怖い、だから自分はそれを知りたいと思ったんだ」という世界一周を決めた時の自分の気持ちだけは忘れないようにして、出発まで不安な気持ちと葛藤を続けました。
 
Q10.「どうしてブログやYou Tubeに旅行を載せようと思ったのですか?」
A.自分がやっていることをスマホからでも何気無しにリアルタイムで(または後から)見られるって面白いし、日本で応援してくれていた人も本当にたくさんいたのでその人たちに少しでも還元できるといいなと思っていました。あとは自分が教員になるということで、人に物事・出来事をうまく伝える練習でもありました。
 
Q11.「世界を色々みた小野田さんから見ての「日本観」」
A.安全性や衛生面というありきたりな答えがパッと思いつきました。でもみなさんに海外に対する負のイメージがあるとすれば、それは日本がそれだけそこに対する心配がない、ということの裏返しだと捉えていいと思います。「当たり前」レベルがものすごく高い国が日本だと思います。
 
Q12.「人を世界一周で撮らない、仰っていましたが、タンザン鉄道の写真は子どもをいれた、その理由やその気持ちが知りたいです」
A.厳しい質問をありがとうございます(笑) カメラの設定を暗くし、人を認識することなくその様子だけ伝わるように撮ったつもりでした。自分が人をリスペクトすることが大切だ、と考え直したきっかけがこの出来事で、そういう思いがより強くなり人を撮るということをしなくなったという意味ではこの写真は必要だと判断しました。でももしかしたら子どもからすればカメラを向けられたこと自体、嬉しいことではなかったかもしれません。ご指摘ありがとうございました。
 
 
 
Q13.「カツアゲみたいなことってされるんですか」
A.僕はそう行った類の暴力的事件には巻き込まれませんでした。しかし今週(11月最終週)コロンビアで残念な事件(電子機器を盗まれた日本人が取り返そうとして射殺された)が起きてしまいましたが、僕にも起こりうることだったと思います。確率で言えば、誰でも起こりうるので僕はそれでも確率を下げられるように注意を払っていました。お金はマネーベルトに入れ、ほとんど荷物を持たずに外出するなどです。運もありますが、その危険を回避するということも旅の中で徐々に学んでいきました。
 
Q14.「「自分とは何か」ということで世界一周したということですが、見つかりましたか?」
A.ちょっと説明が下手だったかもしれませんが、自分とは何かを真剣に考えたのは2年生の時3ヶ月アジアに行った時のことでした。その時どうだったかと言えば、「自分ってなんでもないんだな」ということです。その3ヶ月を過ごしたことで価値観や人との付き合い方、考え方もごろっと変わりました。その時やること、挑戦することによってかわっていく。自分はまだ成長途中の人間で、「自分とは何か」なんて考えているより、「こうありたい自分」を考える方がいいな、とその旅を終えて思いました。その結果が世界一周であり、それを終えた後もこうやって伝える活動の中で自分の中でも新たな学びと日々向き合って行こうとしています。
 
Q15.「テレビで海外の方がインターネット(Wifi!?)が発達しているって聞いたのですが、どのくらい普及しているのか気になりました。アフリカでもあるの?」
A.ものすごく発達しています。ヨーロッパはほとんどの店で拾えます。アフリカでも宿はかなり使えるところが多かったです。(スピードはめちゃめちゃ遅いですが)
 
Q16.「一歩を踏み出すのは難しく、多くの日本人がそこで挫折していると思います。小野田さんがその一歩を踏み出す際に覚悟を決めたのは、どのような事が深く関係していると言えますか。」
A.自分は高校時代まで自己評価がすごく高かった気がします。野球ではキャプテンでみんなよりしっかりしてるって。でも大学に来て、教師を目指す学生たちに埋もれて、なんでもない普通の学生になってしまいました。それがたまらなく悔しかった思いがあります。自分はまだまだ力があるはずなのに。そう思っていると前に踏み出そうとしたくなります。それこそ、常に思っているわけではありません。なので僕は気持ちが高ぶった時に宣言してしまいます。「いや、俺、海外行ってくるから大学休む!!」と。日本には不言実行という言葉が昔からありますが、それをしてしまうとできなかった時の保険をかけているような気がして嫌だったんです。言葉にすると自然とそのために何をすればいいかがわかってきます。言い続けることでその道が切り開かれることもあると思います。もしそれが実現できなくても恥ずかしがることはないと思います。夢を実現しようとしたらまずは言葉にしてみる、これは世界一周をしている人がよく言うことかもしれません。
 
Q17.「ご飯と宿どちらを優先しますか?」
A.基本は宿です。ただヨーロッパはご飯を優先して、野宿したり、駅泊をしたり、夜行バスで移動し続けたりしました。イタリアはご飯に比重を傾けすぎて、6日シャワーを浴びれず大変でした。(笑)
 
Q18.「世界を知った上で日本にもこんなものがあればと思ったものはありますか」
A.海外の地下鉄で多いのですが、切符ではなくコインのようなものを使います。それをスイカのようにかざすだけで入っていくことができ、出るときは切符のように吸収口に入れて出ていく。エコでいいなと思いました。
 
Q19.「移動が大変と聞いたのですが、行く前と帰ってきた後の体重の変化や筋肉などの変化がありましたか」
A.めっちゃ痩せました(笑) 世界一周ダイエット、ライザップの次に来ないかな?
 
Q20.「イギリスの食事が美味しくないというのを聞いたことがあるのですが、どうだったのですか」
A.いや!でもフィッシュ&チップスなどは美味しかったです!僕はその程度しか食べなかったんですが、イギリスに留学していた人の話だと、夜も冷凍食が副菜になったり、それだけの晩飯だったり、ある意味で技術が進みすぎているせいでそう思われることもあり得るということでした。
 
Q21.「旅の中で病気や体調不良などにはならなかったんでしょうか?」
A.不思議と全くかかりませんでした。人間、気が張っていると多少の病原菌には負けなくなるのでしょうか?日本ではしょっちゅう風邪で寝込んでいます。でも理由をあげるとすれば、暑いところが多くて、日本のような季節の変わり目などがないことでしょうか。
 
Q22.「世界一周をする際、英語とテンションがあればコミュニケーションをとれますか?」
A.どの程度コミュニケーションをとりたいか、誰ととりたいかにもよるかもしれませんが、所詮英語は言語です。コミュニケーションツールです。日本人だって何でもかんでも言葉で伝え合ってるロボットではないわけですから、ニコニコしてもっとゆっくり話してって言ってみて、それでもわかんなくて、分かるところだけ拾って話して、ってのでもコミュニケーションで。もっと言えば挨拶するだけでもコミュニケーションです。そんなとき「恥ずかしいなぁ・・・」と思わないテンションが必要なわけです。(かっこよく言ってますが、英語ができない言い訳に他ならないので今勉強しています(笑))
 
Q23.「次にチャレンジしてみたいことは?」
A.実際、もう就職まで時間がなくてやりたいけどできなかったことがたくさんあります。自転車で日本縦断や、1年かけての留学、西アフリカの旅、ブラジルの旅などなど。自分は周りがしていないことをしてそれを自分の味にしたいなと思うタイプで、正直僕なんかも世界一周をしていなかったらみなさんの前で話すことができるような優秀な学生ではないことはなんとなく話の内容からもわかっていただけたんじゃないかと思ってます(笑) そういう面でみんなができないことをチャレンジすることは本当に得することばっかりですし、周りの評価以上に自分の自信にも繋がります。ぜひ、僕ができなかったこと、学生でいる間にやってもらいたいです。
 
Q24.「友人は何人できましたか?」
A.海外行くと店の人に「ヘイ!フレンド!カモン!」みたいなことがしょっちゅうあるんですよ。友達じゃないし。って思いながら歩きましたが、そんな人たちを含めると1000人とかになっちゃうんじゃないでしょうか。(笑)
 
Q25.「親には何も言われなかったんですか?」
A.こういう話は母親がとにかく心配で…ということが多いですが、どちらかというと母は「いっといで!」という姿勢でした。父もそのせいかあんまりうるさく言いませんでしたが、内心は心配していたと思います。きっと心配する気持ちはあったと思いますが、僕がやりたいと思って死ぬ気で準備をしたりしている姿を見て応援しようという気持ちがまさったんじゃないかと。(かなり想像の話になってしまいました)
 
Q26.「現地の日本人とはどのようにして出会ったのですか?」
A.Facebookや共通の友人を通じてなどが多いです。また、各地に日本人宿と呼ばれる日本人が経営していたり、日本人が中心に宿泊をする場所があります。そこで情報収集をしたり、交換をする中で知り合うことが多いです。
 
Q27.「世界一周をしてみて、日本の良さに気づくことはあると思いますが、逆に日本のここは外国に比べて不便だということはありますか」
A.ホテルの宿泊時間の短さですかね。海外は2時チェックイン12時チェックアウトが多いんですが、日本って4時チェックインで、8時とか遅くとも10時チェックアウトですよね。キレイなのは間違い無いんですが、観光する人からすると荷物置きたいとか朝ちょっとゆっくりしたいとか色々あって、今海外の人は日本のそんなところに文句を言っているらしいです。
 
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みなさん本当にたくさんの質問や感想をありがとうございました。これからも世界一周を伝える活動を学生である残り半年間、釧路を中心におこなっていきたいと思っています。ぜひまた機会がありましたら、よろしくお願いします。
 
 
北海道教育大学釧路校4年目 
小野田 渉 
ブログ『ワタル世界は夢ばかり』