卒論の書き方[参考]

 ゼミの卒論を完成させるためには、基にした情報の出典、具体的な数値や考え方の出典元を明らかにした上で、自分の考えを展開していく必要があります。
 一番大事なのは、他人の考えをあたかも自分の考えのように書かない、ことです。ここからここまでは○○氏の考えだが、それに対して自分はこう考える、という書き方が求められています。引用の仕方はいろいろですが、ゼミでは基本的なやり方は統一してありますので、以下の文章を参考にしてください。


【卒論における引用例A】
 ゼミの先輩である小寺将史氏の卒業論文「釧路湿原自然再生事業における住民参加のあり方〜釧路川再蛇行化計画を通して〜(2007)」において、
住民参加が「うまくなされていなかったのではないか」という問題を提起していたことがわかった。

 釧路湿原については環境省の「釧路から始まる 釧路湿原自然再生事業 資料集(2003)」(以下、環境省2003)を以下にまとめる。

 遠賀川の概要について国土交通省九州地方整備局の遠賀川河川事務所HP(以下、遠賀川河川事務所HP)をまとめる。


     引用文献:
      環境省(2003)「釧路から始まる 釧路湿原自然再生事業 資料集」
      釧路湿原自然再生協議会 再生普及小委員会(2009)「2009年度具体的取組 ワンダグリンダ・プロジェクト報告書」
      小寺将史(2007)「釧路湿原自然再生事業における住民参加のあり方〜釧路川再蛇行化計画を通して〜」釧路公立大学環境地理学演習卒業論文

      釧路湿原国立公園連絡協議会HP「自然再生事業」
       http://city.hokkai.or.jp/~kkr946/hogo_saisei.html (2012年1月30日 閲覧)
      環境省 釧路湿原自然再生プロジェクト/湿原データセンターHP「湿原面積の減少」 
        http://kushiro.env.gr.jp/saisei1/modules/xfsection/article.php?articleid=50 (2012年1月30日 閲覧)
      釧路国際ウェットランドセンターHP「釧路湿原のあゆみ」
        http://www.kiwc.net/a/nenpyo.pdf (2012年1月30日 閲覧)
      釧路湿原自然再生協議会HP「釧路湿原自然再生全体構想(2005)」
       http://www.env.go.jp/nature/saisei/law-saisei/kushiro/kushiro_full.pdf (2012年1月30日 閲覧)
      国土交通省九州地方整備局 遠賀川河川事務局「遠賀川について」
        http://www.qsr.mlit.go.jp/onga/about/index.html (2012年1月30日 閲覧)


【卒論における引用例B】
 服部(2010)によると、ラッコは、18世紀半ばから20世紀初頭にかけて、毛皮を目的とした商業的狩猟により、世界的に絶滅の危機に瀕した。
ラッコの繁殖が確認されている北方四島のラッコの状況と保護政策については、近藤(2010)をもとにまとめていく。
釧路市水産対策協議会HPでは、ウニは漁獲しやすい種であるため、資源の減少率が大きい。
北海道新聞(2010年3月12日)によると、「資源管理が進んだウニ漁は漁業者にとって最も安定した収入源で、同部会の年間水揚げ額は約2億3千万円に上回り、それを可能にしたのが、別の場所で育てたウニを、海藻が豊富な水深2〜3メートルの海に移して実入りをよくする育成法だった」とあり、漁師がタモ採り漁をする予定だった海域にあるウニがラッコによって食べられたことがわかる。

     引用文献:
      清水目咲子(2006) 「ゼニガタアザラシの保護と共存について 〜被害対策と観光利用の可能性〜」 釧路公立大学環境地理学演習卒業論文
      服部薫(2010)「ラッコ」野生生物保護学会(編)『野生動物保護の辞典』 p 434〜p 436 朝倉書店
      近藤憲久(2010)「ラッコ(猟虎・臘虎・海)良質の毛皮ゆえの悲劇から保護、共存まで」
                           『モーリー』 No23 2010.Dec p17〜p19 財団法人北海道新聞野生動物基金
      釧路市水産対策協議会HP>育てる漁業>ウニ増養殖事業
      http://www.suisan-kushiro.com/farming/uni.html (2011年12月28日)
      北海道新聞朝刊地方 2010年3月12日


【卒論における引用例C】
 堀本(2001)は「海岸線にさほど遠くないところに位置するキウシト湿原の形成には、最終氷期以降の気候の温暖化と寒冷化の歴史が深くかかわっている。」としている。
 「キウシト湿原の会」(2011)や辻井・橘(2003)によれば、環境省レッドデータブック絶滅危惧IB類のコタヌキモ、絶滅危惧U類のオオバタチツボスミレなど284種の植物、魚などの水生動物4種類が存在している。また野鳥も29種観察されている。観察される野鳥の中でもオオジシギはヨシキリの会(1998)で確認したところ、環境省レッドリストの準絶滅危惧種であることがわかった。

       引用文献:
       堀本宏(2001)「5章 水環境の保全 5.2.5登別キウシト湿原」 日本水環境学会『日本の水環境1北海道編』 p.220~p.224 技報堂出版
       キウシト湿原の会(2011)「キウシト湿原のご案内」
       辻井達一・橘ヒサ子(2003)「北海道の湿原と植物」北海道大学図書刊行会
       自然愛好グループヨシキリの会(1998)「オオジシギ」『登別の美しい鳥たちピリカチカッポ』 p.51 


【卒論における引用例D】
 本田(2009)によれば、戦後日本の漁業はGHQによって、マッカーサー・ラインと呼ばれる一定水域内に限定されていた。

 須藤(1994)によると、地球温暖化により50年後の日本周辺の海面温度は2度程度上昇すると考えられている。

 水産庁のホームページで公開されている平成21年11月20日公表の、『海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画』から一部を抜粋すると、以下のことが書かれている。

      引用文献:
       本田良一(2009)「イワシはどこへ消えたのか」中公新書.
       須藤英雄(1994)「海からみた地球環境」成山堂書店.
       釧路市水産業対策協議会. http://www.suisan-kushiro.com/index.html. (確認日: 2011年11月19日)
       水産庁>ホーム>分野別情報>資源管理の部屋>TACについて
       http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_tac/pdf/kihon_keikaku_090520.pdf (確認日: 2011年11月25日)