§8:原発と放射能
Part Ⅰ. 放射能
 (radioactivity)
「放射能(radioactivity)」
=「放射性物質(radioactive material)」が「放射線」を出す現象または性質。

「放射線」
「α線」「β線」「γ線」などと、とりあえず区別のつくごとに分類して名前をつけた。
アルファ線(+帯電)は数cmの空気の層を突き抜けることができず、紙1枚でも遮られる。
ベータ線(-帯電)は紙は突き抜けてしまうが、数mmのアルミ板や1cmほどのプラスチック板があれば遮ることが出来る。
遥かに透過性の高いガンマ線は、厚さ10cmの鉛のブロックで遮らないと、外に突き抜けてしまう。

放射線の測定
「荷電粒子」が測定器の中に飛び込んで物質を「電離」するのをつかまえて、その量を測る。

ガンマ線は光線であり電気を帯びておらず捕まえにくい。
ガンマ線を浴びると「蛍光」を出す「蛍光物質(シンチレータ)」を測定装置に仕込み、蛍光を「光電効果素子」で電気的な信号として読み取る。

口から~ベクレルBq】   
放射能の単位。
1Bqは1秒間に1個の原子核が崩壊すること。

食べ物・飲み物はベクレル中心。
ヨウ素・セシウムなど「物質」名が重要。
物質が体内に残りやすいかどうかが
健康への影響に決定的。
    例) ヨウ素131が100Bq/リットル

内部被曝:
天然の放射性物質の多くで生物は体内への蓄積を回避するようなしくみを得ている
(進化の結果)
それに比して人工の放射性物質は蓄積を避けるしくみができていない。

外から~シーベルトSv
外から浴びる危険性はシーベルトなどの値。
物質によらず、被曝量による人への影響を示す疫学的な診断目安の値。
ベクレルからシーベルトへの換算はできるけれど、シーベルトから元の放射線量はすぐには出てこない。
 例)炉の周りは100ミリシーベルト/毎時という高い放射線の値

人体は世界平均にして年間およそ
2.4 mSv (= 2,400 μSv) の自然放射線にさらされている。

ベクレルは物質量を見て飲み食いを注意。
シーベルトは総線量1Sv=1000mSvが致死的なエリアに近い値


放射線は生物だけでなくコンピューターにとっても有害。
人工衛星は宇宙空間で被爆することを前提として
高い放射線耐性のあるシステムで作られている。


PartⅡ. 原子力発電
1. 日本の原子力政策

1955年 原子力基本法成立
1956年 原子力開発利用長期計画(第1回)
      *以後5年に1回、9回策定
2002年 エネルギー政策基本法成立
2003年 エネルギー基本計画(第1次)
2005年 原子力政策大綱
2007年 エネルギー基本計画(第2次)
2010年     同  上    (第3次)
2014年     同  上    (第4次)

6. 原子力発電と京都議定書運用ルール
マラケシュ合意(2001)の内容
 附属書Ⅰ国(先進国)が3条1項における約束(削減目標)の達成に原子力施設から生じる排出削減単位を使用することを差し控える