§6. 外来生物の脅威 (Alien species)

[1] 身近な帰化生物
  シロツメクサ、セイヨウタンポポ、ホテイアオイ
  ブラックバス、ブルーギル
  ウシガエル、アメリカザリガニ、
  モンシロチョウ、アメリカシロヒトリ
     ↓
    鳥やアシナガバチ等の天敵の少ない都会で大発生
  ゴキブリ  江戸時代中期以降に日本に侵入

[2] 語句説明
  導入生物:利用のために意識的に持ち込まれた生物。
  外来生物:意識的あるいは無意識的に持ち込まれた外国産生物。
  帰化生物:江戸末期〜明治以降に入ってきて野生化した外来生物。
  侵入生物:その地域や生態系に外から入ってきて野生化した生物。

※外来生物法
「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」 
 2005年施行

  特定外来生物:
   →飼育、栽培、保管、運搬、販売を禁止
   →輸入、野外へ放つこと、植えることを禁止


[3] 魚類の侵入
●東アフリカ、ビクトリア湖
  (成立年代25〜75万年前の古代湖)
  ナイルパーチ⇒数百種の固有種絶滅
●琵琶湖 (200万年以上の歴史を持つ古代湖) 生息する60種のうち約2割が固有種
  オオクチバス(ブラックバス)導入
    ⇒ コイ科の固有種 絶滅危機に
 
[4] ニホンミツバチとセイヨウミツバチ
 1. 在来のオオスズメバチ ⇒ ミツバチを餌に
 2. ニホンミツバチ 集団で防衛
    蜂球→焼き殺す(約20分間、45℃)
 3. セイヨウミツバチ
       ⇒ ニホンミツバチの巣を襲う
   したがって、ニホンミツバチはセイヨウミツバチの近くで巣を作れない。

[5] 大洋島の例
@グアム島 ブラウンツリースネーク導入
  ⇒ 少なくとも10種の固有鳥類が絶滅
Aカリフォルニア州沿岸 サンタカタリナ島 
 野生化したヤギ ⇒ 48種類の植物が絶滅
Bガラパゴス諸島の島 ファイアーアント定着
 ⇒ アリの固有種のほとんどすべてが絶滅
Cハワイ諸島
 ハワイ州=アメリカ合衆国の陸地面積の 0.2%
 合衆国で絶滅した植物と鳥の75%=ハワイの固有種
 現在の絶滅危惧植物と絶滅危惧鳥の3分の1以上がハワイの
 固有種
 ※野生化したブタの影響が特に大
  南米から持ち込まれたツタ植物(園芸用)
D小笠原諸島
 家畜として飼われていたヤギの野生化、
 セイヨウミツバチ、アフリカマイマイ、
 リュウキュウマツなどの外来種の移入による生態系のかく乱。
 ※固有種であるオオハマギキョウやオガサワラアザミの絶滅。

[6] ウサギとウイルスの大発生
1. 1859年、ヨーロッパアナウサギ 
 イギリス→オーストラリア(ウサギ狩り用の獲物)
  最初の24羽 ⇒ 6年後には2万羽に
2. 1950年、南米からミクソーマ・ウイルス導入
 数ヶ月後: 罹病したウサギの99.8%死亡
 ※しかし、ウイルス側の毒性も弱まり、
   ウサギも抵抗性を獲得。

[7] 植物検疫
 1991年 輸入検査         1,290,165件
 病害虫が発見され消毒されたもの  95,906件
 廃棄処分となったもの          51,746件

※侵入種の根絶
 ウリミバエ 「不妊虫放飼法」
 放射線を当てたオスを放す

[8] メイド・in・ジャパンの逆襲?
 クズ 北米
 スイカズラ  [コピー写真] 北米東部で蔓延
 ネムノキ
 マメコガネ(Japanese beetle) 
  日本では一部を除いてそれほど農作物に大きな害を与えないが、 
  米国では食べる植物の種類も多く、集団で食害を起こす。
 ニホン特産のワカメ 
  ⇒ オーストラリア、ニュージーランド、フランス

            
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