§3. どんな「保護区」が望ましいのか?

PartT. 生態系の保全
 (1) 種を保全するためには、どれくらいの大きさの保護区を作るのが望ましいのか。
 (2) 1つの大きな保護区を作るのと、多数の小さな保護区を作るのと、どちらがよいのか。
 (3) 絶滅に瀕している種を救うためには、その種のどのくらいの個体数を
       1つの保護区で保護するのがいいのか。
 (4) 自然保護として最も良い形とは。
 (5) いくつかの保護区を設立する場合に、それが互いに接近しているのがいいの
       か、隔たっているのがいいのか。

SLOSS問題 (Single Large or Several Small)
1つの大きな保護区がいいのか、いくつかの小さな保護区を作るのがいいのか?
 ⇒大きな生息地を必要とする大型動物
  (特にヒグマのような捕食動物)
  生息地の分断とエッジ効果

エッジ効果
 外部の環境と接している周縁部は外部からの影響を受け、内部環境とは異なる
 現象が見られ、これをエッジ効果と呼ぶ。

 エッジ効果の例)
  - 野生動物の移動の妨げ
  - 日射量等周辺環境の変化
  - パイオニア植物の侵入
     帰化植物
  - 中心部と周辺部との間の距離の短縮
      →人間やノラネコ等のアクセスを容易に

MAB計画による生物圏保存地域のモデル
  1. コアエリア:厳密に保護する地域
  2. バッファーゾーン:緩衝地帯。
     伝統的な人間活動、モニタリング、
     破壊的でない研究は行われる。
  3. 移行地帯:
     持続的な発展が可能な活動や
     実験的な研究が行われる。

PartU. 保護区管理のやり方と問題
 「共有地の悲劇」
  ガレット・ハーディン Garett Hardin、
      カルフォルニア大学教授
  1968年に『共有地の悲劇』

●地域住民の参加
  1. 誰のための保護区か?
  2. 誰が管理し、誰が利用するのか?
     管理者と利用者は違うのが当たり前か?
  3. どの段階で参加が可能か?
  4. NGOの役割

                                  
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